紅茶農園主のブログ

コンマ5ミリに泣き、感謝した話。

2023年5月16日

まるでジュエリーかと見紛(みまが)えるほど美しいリングたち。怒涛(どとう)の如く集めたリング…

粗方(あらかた)お察しの通り、レンズのフィルターなんですね。後ろに見えるレンズはライカL用スクリューマウント付きのW-NIKKOR C3.5cm f3.5 で、もちろん現代のレンズじゃなくて、発売時期は1948年なので、昭和23年の御年75歳のレンズです。先日(5月10日)このレンズで撮った写真をアップしましたが、いくら古いレンズであるとはいえ、やっぱり前玉に傷がつくのは嫌なので(既に拭き傷多数ありですが)フィルターは必要でしょうということでまずは一番右の大きいフィルターを購入(千円台で手に入れてラッキー♪)レンズ全面の最大径が34.5ミリなので、これはよく見かける大きさだからなんの衒(てら)いもなくこれでしょ♪と購入。ところが…

このようにピッタリなんだけど、なんか変? そう、レンズの外径の縁(ふち)にネジが切ってない! まさか。取り付けてすぐに撮影しようと思ってたのに、まったく気が付かなかった。慌てて買っちゃう衝動買いを深く反省…はしない。むしろ、おかしいじゃん。ネジ切れよ(爆)。と、思ってみても後の祭り…戦後すぐの頃のレンズにはこのようにフォルムを綺麗に保つためにあえてネジを切ってないというレンズがあったそう。工業製品の美学を見つけたり。

レンズをよく見ると、レンズの内径のギリギリの部分にネジが切ってある! 測ってみるとうーん。微妙だが22.5ミリ! これも一般的…とまではいえないが、オリンパスペンSシリーズなんて22.5ミリだから、きっとこのレンズもこれで決まりだ!…と、またしても衝動買い(これもなんとか千円台)ところが購入していざ装着してみると微妙に入らない。なんで? そこで正確にレンズ系を測ってみたら、なんと22ミリ! 買ったフィルターの径は22.5ミリだから0.5ミリ大きいことに気がついた。そこでニッコール関連の資料を探し回ってみたら、ありました。。。当時のニッコールレンズは22ミリ径というシリーズが数本あることが判明しました。ここまできたら装着しないと気が済まん! 三度目の正直じゃ! と、22ミリのフィルターを探してみたが、これがない。ない。ない。あれこれ悩みながら、夜中に一生懸命探しましたら、やっと出会いました。22ミリに。それが下の写真…

これが見事にピッタリと納まりました。ありがたいことです。これで安心して撮影できるというものです。でも販売されていた商品はスカイライトのみ。フイルム撮影なら必携ですが、デジタルではねぇ。しかしそんなことなど言ってられない。フィルターつけてカッコつけたい病が何でもええから早よつけて! と叫びます。待つこと3日。無事に到着いたしました。

それにしても、コンマ0.5の差って、統一したっていいんじゃね? なんてブツブツいいながらもこのレンズの持つ魅力(レンズはシャープで驚くも、ちょっぴりフレアが出るあたり)がなんとも楽しくて、撮影するのが嬉しくなります。時間がかかりましたが、よくよく考えますと、こんな部品を今でも造ってくださっているということに感謝すべきだと気づいた次第です。