(備北民報 2012年2月14日掲載の連載エッセイ「紅茶の丘の物語(第40回)」より加筆修正したものを掲載します)
今日はバレンタイン・デーです。本気であろうと義理であろうと、親愛の情を伝える儀式とし定着しています。
お話は紀元3世紀のローマ帝国の有名な皇帝であるクラディウス2世の時代にさかのぼります。強大な国家を築くために兵力を増強しておりました。そこでこの皇帝が考えたのは、兵隊が恋愛をして恋人ができてしまうと戦争に行くのを嫌がり、命を懸けて戦わなくなる。妻子ができると余計に命を惜しむようになるだろう。これでは戦争にならないから結婚を禁止しよう、という結論に達したのでした。さて、困ったのは結婚を控えた若者たちでした。しかしそれを無視すると処罰される。それを見かねて手をさしのべたのが聖バレンタイン司祭でした。彼は秘密裏に教会で結婚式をしてあげました。当時のローマ帝国ではキリスト教を弾圧していたのですから、このことが皇帝の耳に入ると、すぐにバレンタインさんは投獄されてしまいました。彼には愛する娘がおりました。彼女に毎日のように手紙を書き続けました。処刑される直前の手紙にも「あなたのバレンタインより」と書いたといいます。これがバレンタイン・デーにされる愛の告白につながっているといわれています。因みに、紀元270年2月14日に処刑されたのでした。悲しくも美しい物語です。
そんな物語にしんみりしながら、現代の世の男性諸氏はいただいたチョコレートを紅茶と共に楽しみましょう。私のオリジナルレシピをご紹介します。その名もズバリ「紅茶ココア」。作り方はとても簡単。板チョコを2~3片ほどティーカップに入れます。グラニュー糖を3g弱加えます。隠し味にコンデンスミルクを少々入れてやると味が落ち着きます。これで驚くなかれ、紅茶がココアに変身します。ミルクを加えてもよいですよ。ホワイトチョコを混ぜるのも楽しいですね。紅茶はお好みですが少し濃いものを利用するとより美味しく召し上がれます(EIJI MIYAMOTO No.7 ティーバッグ 5分抽出がオススメ!)。昨年クリスマスの雑誌の特集で紹介したのですが、体が温まり、あと口がすっきりしてよい感じと評判でした。ウイスキー入りのチョコはお休み前に利用すると気分が和みます。これは大人向きですよ。