紅茶農園主のブログ

正月のインク注入とニブ磨き

2021年1月5日

モンブランの「146」は「149」に比べると容量が少し小さいものの、それでも普通の大きさの万年筆と比べるとやはり大容量。一体インクをいつ入れたのか思い出せないくらい。モンブランのこのシリーズは軸の部分に窓がついていて、インクがなくなってくると光が透過して教えてくれるとてもよくできた構造です。この窓のお陰でインクが切れる前にインク注入を行うことができます。窓が見えるとインクがなくなった証拠。

で、お正月に新調したノートに原稿を書こうと普段の収納場所である手帳のペンホルダーに手を伸ばして取り出して、キャップを外しいざ書こうとすると「あ〜窓が見える…」ということで、お正月早々にインク注入と相成りました。

軸の部分が透明になっている。この窓でインクの残量を判断できます。

インクの入れ方はまた別の機会に(…どうでもいいですね)。ここでまた気になる部分を発見して作業が中断。ニブ全体がくもってインク汚れと酸化が進んでいて、特にニブの先端がひどい状態。こういう部分って、書くたびに目につくのでいつもピカピカにしておきたい。さりとて、インクが入っている状態で布で拭き取る…なんてことをやってしまうと、インクがドバッと出てきてえらいことになります。なので、インクが切れた時がチャンス。モンブランのニブは金磨きで磨くようにしています。ぬるま湯につけて残ったインクを取り出し、固まっているようなインクもゆっくり時間をかけて取り除いてやる。それから乾燥させてニブを磨きました。

こうして「146」はピカピカのニブを取り戻し、書く喜びが倍増しました。万年筆はこういった手のかかる部分も実は楽しみのひとつだったりするので好きなんです。でも、ボールペンも世の中にはいいものがたくさんあるのでこちらも魅力的。鉛筆となると、これはもう究極の贅沢を楽しめてしまう逸品揃い。軸自体と鉛の芯と紙の相性によって変化する書き味の面白さに気がついてしまうと、もう抜けられません。ボールペンはさすがに50年くらいのものが多いけれど、万年筆と特に鉛筆は歴史が古く100年くらい前のものも当たり前のように手にすることもできる。壊れていても修理してくださるお店もあるので、この世界は奥が深い。インクや芯、紙との愛称で楽しみ方が変化していくのって紅茶とよく似ている。そう思うと愛おしいですなぁ。