秋は柿、冬は牡蠣と相場は決まっていそうなものでございますが、私は誰が何を言おうと柿が好きなのでございます。10月に描いた頃はまだあちこちの店に豊富に出回っていて柿がいつでも食べれたのですが、そろそろスーパーでも手に入りにくくなっていて、たまに富有柿が5個入り498円! などとセットで売られていたりすると取り敢えず買っとかなきゃって具合で2袋買って帰ったりしております。リンゴはホロホロの食感のジョナとか王林なんかが好きなくせに、柿は硬くてシャリシャリの食感のものに限ります。スーパーのPOPにビタミンCが豊富な柿を1日1個食べましょうなどと書かれていると、妙に納得。我が意を得たりと毎日食べて楽しんでおります。で、今日食べようかと思ったら…ストックがない。ないとなると余計に食べたくなるものですが、そんな時はこの本を見て気持ちを慰めております。
ずっと昔、出張の折に神保町の三省堂書店の古書コーナーで買い求めた本で、「法隆寺の里」(旺文社文庫)という。奈良、飛鳥、斑鳩…これまた大好きな世界なので見つけた瞬間これ買おうと本棚から取り出して…思わず「あっ」と思った。この写真に釘付けになった。この写真がとても好きです。柿写ってるし(笑)。やっぱり法隆寺と言えば柿ですよねぇ。てな話はさておき、この写真がなんで好きなのかというと、柿の赤褐色(せっかっしょく)と稲刈りが終わった田の土や干されたイネの色合いなどが秋の豊かさを感じさせてくれて気持ちが豊かになるような気がするから。それに、よーく見ると秋摘み紅茶の水色(すいしょく)にも似た色合いに見えませんか? 本の装丁もグリーンでまとめられていて、こちらは紅茶畑の新芽を連想させてくれる。柿が食べれなくなる季節がやってきますが、この本の表紙を眺めていると何となく気持ちが落ち着きます。